- 畑の所在地
- 栽培している品目
下津町
みかん、清見、枇杷
キウイ
貯蔵してから出荷する「蔵出しみかん」のヒミツ
井戸さんの住む、和歌山県海南市の下津町では、「蔵出しみかん」の出荷が盛んです。普通のみかんはほとんどが12月までに収穫・出荷されますが、蔵出しみかんの出荷時期は、普通みかんの出荷が終わった1月下旬から3月頃までです。収穫してからしばらく置いておくので、酸味が減り、甘味が増したみかんになります。しかしながら、湿気に弱くデリケートなみかんを3ヶ月も貯蔵しておけるのは、一体なぜなのでしょうか。
蔵出しみかんには、「杉の木で作られた箱」そして「土壁の蔵」この二つが必要です。プラスチックのコンテナやコンクリートの壁では、代役が果たせないそうです。その理由は、木箱と土壁の「湿気調節力(!?)」にあります。湿度が高いとき、木箱と土壁は湿気を吸収し、みかんを湿気から守ります。湿気が多いと、みかんは腐りやすくなるからです。逆に、湿度が低いときには湿気を放出し、カラカラの乾燥した状態となります。次に湿度が高くなったときに備えるのです。こうして、昔ながらの方法でみかんを貯蔵して出荷する、これが蔵出しみかんです。聞くところによると、冷蔵庫で貯蔵するよりも、腐りにくいのだそうですよ!
手間暇かけて甘くなる蔵出しみかん
普通みかんと言えば、栽培して収穫して…で終わってしまうところですが、蔵出しみかんの場合はさらに貯蔵が加わることで、みかんの味が変化するのがおもしろいです。 しかし、そこには苦労もあります。「蔵出しみかんには、他と出荷時期をずらせるというメリットがあるけれど、腐ったりロスが多いというデメリットもあるんやわ。貯蔵みかんは、傷みやすくてデリケート。だから箱詰めも全部手作業でして、なるべくみかんを傷ませないようにしているよ。」と、ひとつひとつのみかんを大事に箱詰めしながら、井戸さんは話してくれました。